書痴肉林・蟄居汎読記

佐野白羚の古い雑文の一部を(たぶん)定期的にひっそり掲載します

2018-01-01から1年間の記事一覧

丸谷才一『女ざかり』(文藝春秋)

大新聞に所属する女性の論説委員・南弓子が、あるコラムをきっかけに政府与党から圧力がかかり、「閑職」に飛ばされそうになる。そこで女性論説員は恋人や親戚の力を総動員しこの圧力に抗するが、はたしてその結末どうなるか。 筋の要約だけだとこれで終わる…

別役実『淋しいおさかな』(PHP文庫)

むかし読んだ本で、著者は皆目忘れてしまったけれどたしか、「青年が美しいのは、彼らが決して終わらない問題のために真剣に悩むことができるからだ」というふうな文言があって、それがずっと奥歯に挟まったシシャモの小骨みたいに記憶されているので、しば…